ガンディー『獄中からの手紙』 2017年2月 (100分 de 名著)

「獄中からの手紙」で書かれたガンディーの思想を読み解いたテキストです。ガンディーについて全くの無知でしたが本テキストを読んでガンディーのことがよくわかりました。ガンディーは塩の行進で見せたひたすら歩くことや断食などの行為で紛争の解決を図りました。ガンディーの行為はなぜ人々の心を動かしたのか、紛争が絶えない現代でも学ぶべきことがあると著者は言います。私が最も心に響いたのは「赦し」に関するところです。当時インドを支配していたイギリスに対しイギリス側に寄り添って祈らなければ何も変わらないとしたガンジー。赦せないという思いも欲望であり人間の暴力であるとし、それを捨て赦そうとする態度から地平が開かれるとした「赦し」の概念は、政治だけでなく対人関係においても役立つのではと思います。ガンディーの精神が現代にも受け継がれているエピソードとして、著者がインド留学中に出会った一人の僧の言葉も感動的でした。ガンディーを知るには絶好のテキストだと思います。