フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉

いままで優勝など考えられなかった青学を３連覇を成し遂げるまでにチームを導いた監督の原普（はらすすむ）の、組織育成の本。基本的に、スポーツのチーム育成に、ビジネスのやり方を持ち込んだ、ということですが、確かに書かれていることは一般的なMBAなどの組織育成論と大きく変わりはない。ただ、それぞれの言葉のなかに頑張っている高校生たちの姿が見えるのでとてもリアルに感じながら読むことができる。チームのメンバーを管理するのではなく、「感じる」というのは非常に難しくてこれができている管理職は会社のなかにもなかなかいない。特に昔のようにしょっちゅう飲み会やら社員旅行やらファミリー色の濃い時代が終わり、オフィスにいても仕事はしているけれど心はバラバラになりがちな今の世の中では特に難しい。でも、これができないと何をいっても伝わらない。結局、この「感じろ」ということに全て尽きるのではないかとさえ思う。相手がわからないからついつい細かいことまで指示してしまう。自分は特にこのマイクロマネジメントをされるのが大嫌いで一撃にやる気を粉砕されてしまう。マイクロマネジメントはやる方もやられる方も全ては相互理解ができていないから発生するものだと思う。「任されている」と思うと自然にやる気が出てくる、というのは非常に重要で、「オレのことを分かってくれている上司を裏切れない」なんて気持ちにさせれば上司も部下も両方にとって非常に強いプラスに働くと思う。部下に目標を与えるときも、簡単では成長しないし、難しすぎると最初からやる気がおきない。つま先立ちで届くくらいの目標を与えよ、言うが、これも人によっては、ジャンプするくらいで頑張る人もいれば、確実にできる見込みがないと萎縮してしまう人もいる。上司なりコーチがちゃんと部下達を理解してあげると、不思議にチームのみんなも分かり合えるような雰囲気になるもの。原氏も言っているが、「おまえがエースをやれ」というと他のみんながひがんだり、そっぽを向くが、チームのなかから「やっぱりあいつがエースだな」と自然に認められるとチーム全員がサポートしようとする。これは雲泥の差だ。