ペシャワールにて 癩そしてアフガン難民

中村哲さんファンです。こちらの本は、中村医師の講演会後、一番最初に読んだ本です。中村医師は、パキスタンやアフガニスタンで長期に渡り、医師として働いていましたが、その一番最初に赴任したきっかけや、赴任した当初のことについて詳しく記載されています。私は、用水路が出来た後、講演会で中村先生のことを知りました。数冊、本を読ませていただいておりますが、医療のことももちろんですが、用水路や井戸のことを詳しく書いている本を読むことが多い印象でした。（印象の問題かもしれませんが。）そんな中、こちらの本は、中村医師の、医療活動について詳しく触れられています。多分、井戸や用水路を掘る以前に出版したものだからかな？（間違えていたらすみません。）ただ、医療活動といっても、やっぱり、中村医師はさすがだなー。と思ってしまう、中村医師の面白さや魅力があります。その魅力というのは、ハンセン病患者のために、サンダルを作ったこと。これだけだと、本を読んでいない方はピンとこないと思う。ハンセン病患者というのは、感覚が麻痺してしまい、痛みが分からなくなる。そのため、歩いていて、足を傷めたり、感染症を起こしてしまったとき、普通の人は痛みで気付くが、ハンセン症患者は、痛みが分からない。そのため、痛みが発生しているであろう場所をそのまま傷つけてしまい、酷い傷を作ってしまう。人によっては、切断を余儀なくされる人もいる。普通、医者は、その傷を治療することが基本だと思う。でも、中村医師は、その傷を未然に防ぐという形でアプローチする。それが、当時中村医師が勤めていた病棟にサンダルの工房を作り、サンダルを提供するという方法。用水路や井戸の実績が大きすぎて、土木の注目が大きいが、そうした実績の前にも、やっぱり、用水路や井戸のように、病気を未然に防ぐというアプローチをサンダルという形でも行ってきている。病気を治すことも当然大切なことだが、それ以上に、まず、病気にならないことが非常に大切だ。病気になった後だと、治療するとなると時間もお金もかかるし、仕事を失うなど、デメリットが大きい。だからこそ、まず、病気にならない環境を、そこの慣習に合わせて取り入れ、現地の人に受け取られ、喜ばれていること。本当にすごいことだと思う。ただ、自分が褒めてほしいと思い、自分が良いと思う物を相手に押し付けたところで、慣習も考え方も異なる場合、相手が必ず喜ぶとも限らない。相手に寄り添って、相手のためになり、相手も受け入れやすい物を提供する。言葉で表現するのは簡単でも、本を読んでいると、異文化かつ異国で実践するのはとても難しいことだなと感じることを、中村医師は、常に相手に寄り添って良い方へ導いているから本当に感動する。今後も、中村哲医師のパキスタンでの医療活動を支援する目的で結成された国際NGO(NPO)団体、ペシャワール会を応援することで、中村医師の意志を支援していきたいです。